ストレス性、あるいは神経性が原因の残尿感や頻尿は、
ツボの刺激によって症状を緩和することができます。
膀胱炎や前立腺肥大のような、病気による排尿困難には
ツボ押しは効きません。ですが緊張する場面で尿トラブルに
見舞われがちだという方は、ツボの位置を覚えておいて損はないでしょう。
ツボの基礎知識
ツボの正式名称は「経穴」です。経穴とは、
「気と血」の通り道である「経絡」上に点在するくぼみ。
経絡が合流したり、あるいは分岐したりするポイントの事を指しています。
経穴からは気と血が出入りしています。
つまり体内の色々な「流れ」を制御するためのスイッチ、
いわばトリガーポイントなのです。
ツボ押しの医学的な効果は、現在WHOでもはっきりと認められています。
ツボの探し方
ツボの位置はひとりひとり違う場所にあります。
書かれている場所を大体の目安とし、自分にとって
しっくりくるポイントを探すことが大切です。
皮膚をつまんだり押したりすると何らかの刺激を受ける、
そういう場所が自分にとってのツボなのだそうです。
ツボの押し方
ゆっくりと息を吐きながら指圧し、ゆっくりと息を吸いながら離すを
繰り返すのが基本です。
徐々に力を入れていき、1回あたり3~5秒間押して、
3~5秒かけて離す、というサイクルで5~10回ほどくり返します。
長く押しすぎたり、回数が多すぎたりすると、逆に具合が悪くなることも
ありますので、心地のよい痛みを感じる程度の力で押しましょう。
連続して行ってはいけません。朝と夜など時間をあけてツボを押しましょう。
毎日の習慣にすることで徐々に効果があらわれてくるそうです。
残尿感・頻尿に効くツボ
いずれも残尿感や頻尿に関連している臓器の働きを
整えるツボです。
- 腎兪(じんゆ)
腎兪は背中にあるツボです。ウエストの一番くびれた部分、
そこの背骨から2指ほどの左右にあります。
- 次髎(じりょう)
お尻の中心には仙骨という平らな骨があります。
仙骨から指2本分ほど外側の左右にあります。
- 中極(ちゅうきょく)
おへそから指4本分ほど下がった所です。ここは指圧よりもお灸による
温めの方が適しています。
絶対に強くは押さず、皮膚が軽くくぼむ程度の力で指圧して下さい。
- 小沢(しょうたく)
小指の爪の付根の角(外側に)付近にあります。
膀胱の機能を整え、排尿を抑制する効果があるとされるツボです。
- 夜尿点(やにょうてん)
手のひら側の小指の第一関節の中央にあり、
夜間頻尿の改善効果があります。
- 膀胱兪(ぼうこうゆ)
膀胱兪は背中にあるツボです。第2仙椎棘突起の下、そこから
外方に指2本分離れた左右にあります。
- 中膂兪(ちゅうりょゆ)
大赫とともに、男性の勃起障害に有効なツボとして知られていますが、
膀胱疾患にも効果を発揮します。
仙骨の第3椎棘から下へ指2本分、両外側にあります。
膀胱炎だけでなく、腰痛や坐骨神経痛にも効果があります。
- 曲骨(きょくこつ)
おへそから指5本分下がった所にあります。
前立腺肥大症、膀胱炎による頻尿、残尿感などに効きます。
- 横骨(おうこつ)
恥骨から指0.5本分上の左右にあります。
- 湧泉(ゆうせん)
足の裏の中央、人という形のシワの
くぼみの縁を、足先に向かって強めに押して下さい。
ツボ押しの効果を高めるコツ
- 緊張していると効果があらわれない事があります。
心身ともにリラックスすることが重要です。 - 1度だけでは効果を感じられません。
毎日の習慣としてツボ押しを行いましょう。 - 指圧ではなく、お灸や温灸器で温めても効果があります。
- つまようじを数本束ねたもので優しく刺激するのも効果的です。
ツボを押す際の注意事項
高熱、重篤な内臓疾患、出血性の疾患や傷があるとき、
アルコール摂取後、妊娠中~妊娠末期、満腹時、
医師から安静を勧められたときは、ツボ押しを控えましょう。
かえって具合を悪くしてしまう可能性があります。