尿もれの原因は膀胱が縮小したから?
妊娠中の妊婦さんの中でも経験した方が多い症状の1つに尿もれや頻尿といった症状があります。妊娠中はお薬を飲むことができないため、細菌の繁殖など膀胱炎になっていないか心配になるところ。しかし、妊婦さんが悩まされる頻尿の原因は膀胱炎や細菌による感染症によるものではありません。その理由は、胎児が成長することで子宮や胎盤が大きくなり、その付近にある膀胱が普段のようにおしっこをため込む際に肥大することができないからです。おしっこをため込むために、筋肉を縮小したり拡大したりする膀胱において、すでに子宮が拡大しており十分な尿をため込むことができず、結果として頻繁に膀胱を尿が満たしてしまいトイレに行く回数が増えるといったことや尿もれを感じるといったことにつながります。
妊娠期特有のホルモンバランスの変化が原因?
妊娠中は、女性ホルモンのバランスが大きく変化します。それはおなかの中の胎児に栄養を補給するためであり、自身の生命を維持するために必要だからです。
実は、尿に関しても女性ホルモンが大きくかかわっています。女性ホルモンの中の1種に、「プロゲステロン」というホルモンがあります。こちらは、利尿作用をつかさどるホルモンであり、妊娠期にはこのプロゲステロンを含む女性ホルモンの分泌量が増加することから、利尿作用が高まり頻繁にトイレにいくようになります。何度もトイレに行ってもまたといれにいきたくなったり、尿もれ感がぬぐえないということは妊娠期においては正常に体が機能をしているということを証明しているため、それほど悩む必要もない症状です。おしっこを我慢する必要もありませんので、いきたくなったら行くといったスタイルで十分です。
変に気にしすぎてしまうと、ストレスや不安となり交感神経が過敏となりより一層症状は悪化することもあります。尿意は生理現象の1つですので、出るときは出ると割り切った気持で常にいるように心がけましょう。
夏場のクーラーにもご注意を
妊娠中は体を冷やさないように心掛けて生活を送るわけですが、夏場は特に妊婦さんにおいてはいろいろな症状が出る時期といえます。
その理由として、夏場のクーラーの使用は体を適度に冷やすということで、快適感を感じることができストレスをなくし妊娠に集中することができます。しかし、買い物に行くときに、今まで涼しく快適な空間で過ごしていた体にとっては温度差の激しい外部との接点は非常にストレスとなりますし、神経を刺激してしまいます。また、急激に寒いスーパーで長居をすると尿意をもよおしやすくなるということもあります。冷たい水を飲みすぎることや、水分の多い果物などを寝る前に食べてしまうことで、夜中に頻繁にトイレにいくということもあります。夏場に口にするものや環境というのは、妊婦さんにとっては体に負担のかかる時期といえますので、夏場特に残もれなどの尿に対する悩みが増える時期といえます。
ストレスフリーの妊娠生活を送ることが大事
妊娠中は、ストレスがあることで交感神経が刺激されイライラとしやすくなったり脈が乱れたりすることがあります。そのような変化は、胎児に対してもよい影響とはいえません。また、ストレスを感じると体内に悪性物質が作り出されてしまうため、体の中では本来成長に必要な栄養成分を使用し体を守るように行います。尿意もストレスと連動し、神経から脳へと連鎖し、尿意を強引に誘発することもありますので、ストレスをなくす生活をできる限り行うことが尿意や体への負担を抑えることにつながるといえますので、妊婦さんのリラックスできる環境を作るように家族で協力が必要だといえます。