初期の膀胱炎やストレス性の頻尿など、ごく軽度の排尿トラブルであれば
生活習慣の改善というセルフケアのみで症状を緩和することができます。

今回は、膀胱炎や心因性の頻尿を繰り返してしまう方が
気を付けるべきポイントを7つにまとめました。
下記を参考に生活習慣を改善し、再発防止につとめましょう。

水分をしっかり摂取する

膀胱炎などを何度も再発させてしまう方は、水分を多めに摂取することが大切です。
水分摂取により排尿量を増やすことで、尿道や膀胱内で繁殖している
菌を洗い流すことができます。

摂取量の目安は一日に約1ℓ~2ℓですが、水分の摂りすぎで逆に頻尿を
引き起こすケースもありますので、自分に合った水分量をこまめに少量ずつ補給しましょう。

ただし、水分摂取を推奨していない医師もいます。
抗生物質で細菌を死滅させた後は、むしろ排尿回数を抑えた方が荒れた粘膜の
再生を促進し、膀胱炎の再発防止につながるという意見もありますので、
まずは担当医に相談することをお勧めします。

トイレを我慢しない

おしっこを我慢してはいけません。長時間尿が溜まっていると、膀胱内の細菌が
どんどん増殖することによって炎症を起こしやすくなります。

社会人はトイレを我慢しなければならない状況が多く、こまめな排尿は難しいのですが、
尿意の我慢こそが膀胱炎を引き起こす最も大きな原因となっています。

積極的に排尿することで尿道や膀胱内から細菌を流し出し、臓器の内部を清潔に保ちましょう。

陰部を清潔にする

膀胱炎などの尿路感染症は、尿道口から細菌が侵入することによって炎症を起こす病気です。
尿道から細菌が入りこまないよう、常に肛門、膣、尿道口周辺などを
清潔にしておく事が大切です。

排便時には大便が尿道につかないように注意しながら拭き、
生理用ナプキンも頻繁に交換しましょう。また、性交渉の前後は男女ともに
陰部をしっかりと洗い、常に清潔にしておきましょう。

ストレスを溜めない

強いストレスは免疫力を下げるだけでなく、自律神経やホルモンバランスが乱れる原因にもなります。

自律神経もホルモンも膀胱の収縮、拡張に大きく関わっているため、
バランスを整えることは重要です。
また、細菌に対する抵抗力が下がれば炎症を起こしやすくなり、膀胱炎の再発を招きます。

心因性の頻尿も、緊張感、興奮、不安感などのストレスによって引き起こされています。
自分なりのリラックス方法を見つけて、心と体の緊張を解きほぐすことが大切です。

冷え性を改善する

体の冷えも残尿感や頻尿の原因につながります。冷えによって膀胱が収縮し、
尿を沢山溜めておく事ができなくなるため、頻繁に尿意をもよおしたり、残尿感を引き起こしたりします。

特に冬場はしっかりと体を温め、全身の血行を促進させましょう。

カフェインやアルコールを控える

利尿作用を持つカフェインやアルコールの飲みすぎは
頻尿や残尿感を引き起こします。

特に就寝前のアルコールは夜間頻尿をもたらすことがあり、
睡眠の質が低下することによって自律神経の乱れにもつながる、という
悪循環を生む恐れもあります。

骨盤底筋体操

骨盤底筋とは、尿道を締めたり緩めたりすることで排尿量を調節している筋肉の総称です。また、
内臓が垂れ下がらないようハンモックのような役割も果たしています。

骨盤底筋を鍛えることで過活動膀胱や腹圧性尿失禁を改善することができますが、
効果を実感するには3ヵ月ほどかかると言われていますので、気長に取り組みましょう。
具体的な方法は下記のとおりです。

  1.  肛門・膣・尿道口に力を入れ、10秒ほど骨盤底筋を締めます。この時
    お腹に手を当てて、腹筋に力が入っていないことを確認しながら行いましょう。
  2.  50秒かけてゆっくり力を抜きます
  3.  1~2を10回ずつ繰り返すします。

骨盤底筋体操は時間や場所を選ばず行えるトレーニングです。
仕事中、電車の中、家事をしている時など、毎日の習慣として続けていきましょう。

膀胱訓練

膀胱訓練とは、計画的に尿を我慢することで、膀胱内に溜められる尿量を増加させていくトレーニングです。

  • 軽い尿意を感じたら、尿道や肛門に力を入れて尿を我慢します。
  • このとき尿のことは考えず、深呼吸をしたりして尿意を紛らわせるのがコツです。
  • 最初は5分間だけ我慢し、これを一週間ほど続けます。
  • それ以降は、我慢する時間を10分、15分、20分と徐々に長くしていきます。
  • 最終的に2~3時間ほど我慢できるようになれば、膀胱訓練は終了です。

膀胱訓練は、ストレスによる心因性の頻尿や残尿感を改善するものです。
膀胱炎などの病的な要因で排尿トラブルが起こっている場合は、尿を我慢することで逆に
症状を悪化させてしまうケースもあります。
まずは医師に相談し、指導と許可を得てから訓練を開始しましょう。