膀胱炎は再発率が非常に高い病気です。
急性膀胱炎を発症した女性の多くが
治療後1年以内に再発させてしまうとも言われています。

また、処方された抗生物質をすべて飲み切らずに
独断で服用を止めてしまった場合、
膀胱内の原因菌を完全に死滅させられないばかりか、抗生物質に耐性を持つ菌を生んでしまい、
慢性膀胱炎にまで発展してしまう危険性もあります。

しかし、急性膀胱炎はセルフケアのみで予防が可能な病気です。
初期段階ならば、生活習慣の改善のみで自然治癒させることもできます。

日ごろから膀胱炎にならないような生活を心掛け、予防に力を入れることが大切です。

今回は、膀胱炎を再発させないように気を付けるべきポイントや、
膀胱炎をはじめとする尿路感染症の基本的な予防法についてまとめました。

トイレを我慢しない

膀胱炎の予防においてもっとも大切なこと、それは
「原因菌を増やさない」ということです。

長時間尿を我慢していると、膀胱の中で生息している細菌がどんどん増殖し、
炎症を起こす原因となります。

トイレを我慢せず、こまめに排尿することで、増殖した細菌を
体外へと流し出してしまいましょう。

また、尿意を感じていないときでも定期的にトイレへ行きましょう。
3時間おきなど、一定間隔ごとに細菌を排出することで膀胱炎を予防できます。

水分の摂取量を増やす

1日1~2?を目安として、こまめに水分を摂取しましょう。

水分の摂取量が少ないと、その分尿量も少なくなり、膀胱内で繁殖している細菌を
十分に尿で流し出すことができなくなってしまいます。

また、体内のカリウムが不足していると尿がうまく排出できなくなります。
水分を多めに摂るだけではなく、利尿作用のあるカリウムが
含まれる食物もしっかり摂りましょう。

カリウムは果物や野菜などに多く含まれていますが、同じく果物や野菜に
含まれているビタミンなども体の免疫力を高め、膀胱炎に対する抑制効果が期待できます。

冷え性を改善する

体温が低下すると白血球の働きも鈍るため、免疫力が低下します。

細菌に対する抵抗力・免疫力が低下すれば、
膀胱内の細菌も活動しやすくなります。

また、体が冷えると血行の悪化や自律神経の乱れをまねき、それらは
膀胱の収縮を引き起こしてしまいます。

膀胱が縮めば最大蓄尿量が減少して1回分の排尿量も減るため、
細菌をうまく流し出せなくなる上に、頻尿や残尿感を感じるようになります。

体温は常に37℃前後を保ち、膀胱の免疫力を上げておきましょう。

清潔を保つ

膀胱炎の原因菌を尿道口から侵入させないことも大切です。
女性の場合、とくに膣や肛門などの尿道付近を清潔に保ちましょう。

生理用ナプキンをこまめに取り替える、大便を拭いた紙で前を拭かない、
性行為の前後には全身を清潔にする、毎日必ず入浴するなど、
全身を清潔に保ちましょう。

ストレスを溜めない、生活習慣を見直す

過剰なストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こします。

自律神経は交感神経と副交感神経のふたつから構成されていますが、
交感神経は膀胱を収縮させ、逆に副交感神経が優位になると膀胱を膨張させることによって
適切な尿量をコントロールしています。

しかしストレスにより交感神経が優位になると、膀胱に尿が溜められず頻尿になり、
残尿感などもを引き起こします。

また、疲労や睡眠不足によって免疫力を低下させないことも重要です。
十分な睡眠、適度な運動、栄養バランスなどに気を配り、規則正しい生活を送りましょう。

カフェインやアルコールの摂取を控える

膀胱炎に限らず、体のどこかが炎症を起こしている時は、アルコールや香辛料などの
刺激物を摂取すると症状を悪化させることがあります。

また、コーヒー、紅茶、緑茶には利尿作用があるので
膀胱炎を改善する飲み物だろうと思われがちですが、
カフェイも刺激物の一種なので摂取は控えたほうがいいでしょう。

その他、トマトや炭酸水など、酸味や刺激の強いものも
炎症を悪化させる原因となります。

それでも膀胱炎を予防できないときは

セルフケアのみで膀胱炎の予防・再発防止ができない場合は、
間質性膀胱炎や慢性膀胱炎が疑われます。
その場合は早急に医療機関を受診し、医師の指導のもと、適切な治療を受けましょう。