1日になんども尿意を感じてトイレに行くという経験はありませんか?

トイレに行ってもスッキリできない残尿感が残ります。
たびたび睡眠が中断されて寝不足、頻尿が気になり外出もままならないなど神経質になってしまいますよね。
そもそも残尿感や頻尿はなぜ起こるのでしょうか?

残尿感・頻尿とは?

頻繁に尿意を感じてトイレに行く間隔が短くなることを頻尿といいます。
さっきトイレに行ったばかりだというのにまた行きたくなってしまうということがよく起こります。
1日に10回以上トイレに行きたくなる状態です。
このようにトイレが近くて困るという人は冷え症の人が多いといわれています。
トイレが近いというだけなら心配ありませんが気になる方は冷え症対策を含めて病院で相談してみましょう。

頻尿になってしまう原因

頻尿は女性に多く男性の約2倍といわれています。
軽度のものを含めますと成人女性の約30%が経験しているといわれています。
頻尿の原因は骨盤底筋が歳をとるにつれ弱くなるために起こります。
骨盤底筋とは子宮、膣、直腸、膀胱を支えるハンモック状の筋肉のことです。
特に女性は出産時に産道が広がるため骨盤底筋が緩くなりやすく膀胱や尿道が下がった状態になりがちです。
そのため合併する膀胱瘤や子宮脱など女性特有の疾患を取り扱う女性泌尿器科という診療科目があります。
また更年期以降になると膀胱や尿道の粘膜が萎縮、薄くなるといった状態になるため少ない量でも尿意を感じやすくなります。

残尿感と排尿痛があるとどうなる?

頻尿・残尿感(尿をしたあともまだ残っている感じ)や排尿痛または血尿があると膀胱炎を疑う場合が多いです。
膀胱炎では熱が出ることはなく、熱がある場合は腎盂腎炎を疑います。
膀胱炎は加齢とともに膀胱や尿道の粘膜が薄くなるため大腸菌や腸内細菌が尿道をさかのぼり膀胱で増殖して感染症を起こします。
細菌性の急性膀胱炎では抗生物質の服用が必要となります。
服用すれば3日以内で症状がとれ1週間の服用で再発を防ぐことができます。
症状が改善されても細菌が死滅したとは限らないため再発を繰り返さないように抗生物質の服用や途中で病院に行くのを勝手にやめないことが大切です。
また排尿痛があるため水分を摂りたくない、トイレを我慢するといった行動をとる人が多いといわれますがむしろお茶などあたたかい飲み物を多く摂り排尿したほうが尿道内の菌の出すためには良いとされています。
長い時間、尿をためると膀胱内の菌が繁殖してしまいます。
症状が悪化する原因になりますので尿意を我慢しないことが予防のために必要です。

特殊な膀胱炎

細菌性の急性膀胱炎の他に残尿感・頻尿などの膀胱炎の症状を起こすものに間質性膀胱炎があります。
中年から高齢の女性に多いといわれています。
頻尿・尿意切迫感・下腹の痛みがあります。
痛みは排尿すれば一時的に弱まります。
膀胱・尿道の痛みが中心ですが、膣・外陰部・腰部・内太ももなどが痛む場合もあります。

心因性の頻尿とは?

家にいるとあまりトイレに行かないのに外出中に何度もトイレに行く、眠っている間はトイレに行かないが目が覚めている時間の排尿の回数が異常に多い、会議中などトイレに行けない状態のときに限って尿意を強く感じるなどは精神的なものから起こる頻尿であることが多いです。

残尿感・頻尿の原因は、骨盤底筋の衰え、更年期以降の膀胱や尿道の粘膜の萎縮・薄くなるため、心因性のものといったことが分かりました。
また身近な要因として、一時的な頻尿はカフェインの摂り過ぎや生理前のホルモンの変化、便秘などがあげられます。
残尿感・頻尿がなかなか治らない、排尿時に痛みを感じる場合は泌尿器科を受診しましょう。