残尿感と尿失禁には大きな関係があります。残尿感は、おしっこをしても、またすぐにおしっこが溜まる不快な症状です。それに対して、尿失禁はおしっこを漏らしてしまう、意思に反しておしっこが出てしまう悩みです。この二つは全く違うように見えるかもしれませんが、二つが連携しあって、さらに悪循環を加速させているのです。そのメカニズムを確認してみましょう。

早め早めのトイレが悪循環のスタート

尿失禁のある人はおしっこを漏らさないように早め早めにトイレに行くくせがついてしまいます。おしっこが少し溜まっただけでまたトイレに行ってしまう。1日のうちに何回もトイレに行く。

こんな事をしているうちに膀胱がおしっこを溜め込めなくなります。膀胱が過敏になってしまい、さらにトイレに行く回数も増えます。残尿感も大きくなります。そしてさらに尿失禁がひどくなってしまうのです。

早めにトイレに行くことで膀胱にためておけなくなる

早め早めにトイレに行くくせがついてしまうと、膀胱におしっこをためておけなくなってしまいます。外出先でもトイレに行きたくなってしまうかもしれません。早めトイレに行っているうちに、膀胱のおしっこ貯めておく力がなくなってしまいます。この弊害を理解しましょう。膀胱は、普段からある程度の尿を貯めておかなければいけないのです。

健康な膀胱は平常時150ml~200mlを溜め込むことができます。400ml~500mlぐらいまではがんばって溜め込むことができます。300mlを超えるとそろそろトイレに行かなくては、という気持ちが起こってきます。頻尿の人たちの特徴は、尿意をもよおす150mlくらいに到達する前におしっこを出してしまうのです。

敏感になる過活動膀胱

残尿感の原因として挙げられるのは過活動膀胱。膀胱が過敏になってしまい、尿意が頻繁に起こるようになります。残尿感の原因だといわれています。活動膀胱は残尿感の原因になるばかりでなく、尿失禁の原因にもなるのです。

残尿感が酷くなってくると尿失禁につながるおそれがあることを知っておきましょう。この二つはなんの関係もないというわけではなく、連携して更なる悪循環を引き起こしているということは注目するべきところでしょう。

相談する人は少ない

女性の中で残尿感尿失禁に悩んでいる人はかなりの数に上りますがその正確な数値は上がっていません。20代や30代の女性でも1割くらいが経験あり40歳以上の女性だと3割~4割もいるといわれています。最も多いのは40歳後半から50歳中盤まで。

誰かに相談しようと思っているけど相談する人はいない。相談する気も起こらない。ほとんど無視。この三つのパターンの人たちが90%以上に上ります。ほとんどの人が誰にも相談せず、なんとなくだましだまし対処しているのです。

それもそのはず。頻尿や残尿感などという問題は、他人には話しにくいです。恥ずかしい問題で一人で抱え込みがちです。1人で悩んでいても解決することは少ないでしょう相談しにくい問題だからこそ、情報収集して正しい知識を身につけること。早め早めの対策をして改善させることが必要なのです。

症状がひどい場合には病院に行くことも必要。でも、完全に治るかどうかも不明確です。生活習慣の問題もあります。加齢や妊娠・出産により筋肉が弱っていることも考えられます。さまざまな原因が絡み合い残尿感や尿失禁を悪していることも考えられます。

頻尿や尿失禁でも本人が不快感を感じていなかったり、不便を感じていなければ治療する必要はありません。しかしそれが我慢できないほどの不快な症状であれば対策する必要があります。専門家の相談するにしろ、自分なりの対策をとるにしろ、どのような原因があるのかを把握することが必要なことです。普段の生活に気を配ってみましょう。