男性特有の排尿トラブルを解消し、さらには薄毛や脱毛、
精力減退などの症状も改善してくれるという「ノコギリヤシ」の果実エキス。
今回は、中高年男性にとって心強い味方となってくれる
ノコギリヤシの効果、効能やそのメカニズムについて解説します。
ノコギリヤシとは
生息地域とその名の由来
ノコギリヤシは、北アメリカ南東部に自生しているヤシ科シュロ属の植物です。
ギザギザした葉がノコギリに似ているため、英語でソウ・パルメット(ノコギリヤシ)と名付けられました。
ノコギリヤシは小さな赤黒い果実をつけますが、この果実を
インディアンたちは利尿剤、健康維持、精力回復の薬として使用していました。
それに目を付けたヨーロッパの人々がノコギリヤシの成分を研究した結果、
排尿トラブルや強壮作用に効く有効成分が明らかになったのです。
ノコギリヤシの成分
ノコギリヤシの果実に含まれるβ-シトステロールや脂肪酸、フィトステロールなどには
男性ホルモンのバランスを整える効果があります。
ヨーロッパでは医薬品として指定されており、おもに前立腺肥大症の治療薬として使用されているほか、
脱毛症や多嚢胞性卵巣症候群などを引き起こす
高アンドロゲン状態(男性ホルモンの一種であるアンドロゲンが過剰に分泌され、
女性の排卵障害などを引き起こすこと)の治療などにも使用されています。
残尿感や頻尿にノコギリヤシは効くのか
イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなど、ヨーロッパの多くの国では
ノコギリヤシが前立腺肥大症の治療薬として正式に認可されています。
前立腺肥大症は男性特有の病気です。加齢とともに減少する男性ホルモンバランスの乱れが
おもな原因とされ、残尿感や頻尿、尿意切迫感などを引き起こします。
前立腺肥大症に対する従来の治療薬は、交感神経の働きを
抑制する α1受容体遮断薬などが主流でした。
α1受容体遮断薬は交感神経が優位となる状態、つまり緊張状態を抑えることにより、
前立腺を弛緩させ、尿道に対する圧迫を軽減するという手法ですが、過活動膀胱の改善にも効果があり、
さまざまな排尿トラブルに効果がある治療方法です。
しかし、α1受容体遮断薬などはめまい、下痢、射精障害、性欲の減退、倦怠感などの
重い副作用も引き起すため、生活の質を低下させる恐れがありました。
一方ノコギリヤシは天然成分でありながら、前立腺肥大症の改善効果が高く、
かつ副作用もほとんど見られないため、欧州の医師たちからは高い評価を得ています。
最近は日本でもノコギリヤシの有効成分が注目され始め、
病院などでも使用されるようになってきました。
ノコギリヤシの効果
前立腺肥大症の代表的な原因因子として、「酵素5α-リノクターゼ」という
酵素があります。5αリダクターゼは男性ホルモン(テストステロン)を、より
強力な男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)に変換する酵素で、
主にヒトの前頭部、頭頂部の存在し、男性型脱毛症の原因となることで知られています。
ノコギリヤシには、この5α-リノクターゼの生成を抑制する働きがあり、
前立腺肥大症はもちろん抜け毛防止などにも効果が発揮されるとされています。
こちらは女性にも効果があり、男女ともに薄毛対策のサプリメントとして使用されています。
ノコギリヤシサプリメントの選び方
おもに中高年男性の排尿トラブルに効果を発揮するという
ノコギリヤシのサプリメントは、色々なメーカーから販売されています。
何を基準にしてどの商品を選ぶべきか、ポイントとなる項目は以下の通りです。
ノコギリヤシ果実エキスの含有量で選ぶ
ノコギリヤシ果実エキスの含有量が多く、
1日あたりの摂取量が320mg以上となるものを選ぶとよいでしょう。
理由は、ノコギリヤシの効果を検証するために行われた海外の臨床試験で、
1日320mg以上が投与された場合にもっとも有益な効果が確認されたためです。
ノコギリヤシ果実エキスの抽出方法
より純度が高いと言われている「超臨界抽出法」を採用している商品を選ぶのもポイントです。
ノコギリヤシ以外の配合成分
ノコギリヤシの効果を補完するために配合されている成分で選ぶことも重要です。
商品によってそれぞれ違った配合成分が含まれ、それぞれ違った特徴があります。
たとえば、
- 精力増強を図りたい…亜鉛やクラチャイダムが配合されているもの
- 抗炎症成分…漢方薬などが配合されているもの
- 過活動膀胱も改善したい…イソサミジンや西洋カボチャ種子エキスが配合されているもの
など、自分の症状にあっているものを選ぶことが大切です。