男性ならば誰もが一度は経験したことがあるという「排尿直後のちょい漏れ」。
漏れ出た尿がズボンや下着にシミを作ったり、時間の経過とともにアンモニア臭が発生したりと、
年齢を問わず多くの男性にとって悩みの種となっています。

今回は、男性のちょい漏れ対策や原因、予防法、対処法などをまとめました。

男性のちょい漏れが起こる原因

トイレに行った直後、あるいは排尿した直後に少量のオシッコが漏れ出すことを
「排尿後尿滴下(はいにょうごにょうてきか)」といいます。

原因は男性泌尿器の構造にあるため、若年層から中高年まで
すべての男性に起こりうる尿漏れです。

男性の尿路は女性と比べて長いため、出し切ったつもりでもまだ尿路にはオシッコが残っている場合があります。
特に尿道奥の球部空間(陰嚢の後ろ側にある広い空間)に尿が溜まりやすい構造になっており、
そこに残った少量の尿が、排尿を終えたあとに尿道をつたって漏れ出してくるのです。

ちなみに漏れ出る量は1回あたり約1~5ccほどだと言われています。

ちょい漏れの対処法と予防法

  • 残尿スイッチでちょい漏れ解消

男性の間で「残尿スイッチ」と呼ばれている尿の絞り出し方法があります。
残尿スイッチを押すことで、尿道に溜まっている残尿を押し出すことができます。

方法は簡単です。
陰嚢の後ろに数本の指を当て、筋をこするように前方に引き、根本から尿を絞り出すのです。

排尿直後に毎回これを行えば、ちょい漏れはほとんど解消できます。

  • 股上の浅いズボンを履かないこと

オシッコを出すときに陰茎の根本が上を向いていると、残尿が溜まりがちになってしまいます。
とくに前開きのないボクサーパンツや、股上が浅いズボンを履いている場合は、
陰茎を引き上げるようにして排尿するため、尿道の奥に残尿が溜まりやすいのです。

股上が浅いズボンや前開きのないボクサーパンツなど、性器を圧迫するような
衣服を身に着けている場合は、しっかりズボンや下着を緩め、楽な姿勢で排尿しましょう。
陰茎の根本をしっかりと下に向けて、尿道に残った尿を出し切ることが大切です。

  • 急がずゆっくりと排尿しましょう

急いで排尿を終えると、尿を完全に出し切る前に下着やズボンを履いてしまうことがあります。
時間をかけて排尿することで、しっかりと最後まで尿路内のオシッコを出し切ることができます。

  • 尿取りパッドの活用

安心して外出したい方は、男性用の尿漏れ吸水ガードなどを利用しましょう。
尿取りパッドを下着の内側に貼るだけで、50㏄ほどまでのちょい漏れをしっかり吸収でき、
同時に消臭もしてくれます。薄手のパッドなら付けていることも他人に悟られません。

  • 骨盤底筋体操

尿を最後までしっかりと絞り出すためには、球海綿体筋を鍛えなくてはなりません。

球海綿体筋とは、尿や精液を押し出す水鉄砲のような役割を果たしている筋肉です。
ここが衰えてしまうと尿に勢いがなくなり、尿道内に残尿が溜まりやすくなります。

球海綿体筋は骨盤底筋体操で鍛えることができます。
具体的な方法は下記のとおりです。

「肛門を5秒間締め、5秒間ゆるめる」を4~5回で1セットとし、
1日で60~80セットほど繰りかえします。

個人差はありますが、3ヵ月以上を目安に骨盤底筋体操を続けると、
徐々に効果があらわれてくるはずです。

排尿後尿滴下以外の尿漏れ

咳やくしゃみをしたとき、重いものを持った拍子などに尿漏れしてしまう。
これらは排尿後尿滴下のメカニズムとは違い、前立腺肥大症などの病気が
原因となっている可能性があります。

また、加齢によって尿道括約筋などが衰えると、ちょっとした腹圧や刺激によって
軽度の尿失禁を引き起こすこともあります。

尿意切迫感(我慢できないほどの尿意を突然感じる)や、
切迫性尿失禁(トイレに間に合わず失禁してしまう)などが日常的に起こっている場合は、
泌尿器科を受診し、原因となっている病気の治療を受けましょう。