いかなる理由があろうとも、尿意を限界まで我慢してはいけません。
オシッコを我慢し続けた結果、様々な病気を発症し、
最終的には命を落としてしまったという事例もあります。
オシッコを我慢することで体にどのような悪影響が出るのか、
今回はその危険性を5つにまとめました。
膀胱炎などの尿路感染症
膀胱炎は、尿道から入りこんだ細菌が膀胱内で繁殖することによって
炎症を起こす病気です。
尿を我慢する、つまり長時間尿を膀胱内にとどめておくことで、
細菌を増殖させ、膀胱炎を引き起こすリスクを高めます。
しかし、排尿さえしてしまえば膀胱内で繁殖していた最近も
尿と一緒に排出することができますし、 尿道にひそんでいた細菌も洗い流すことができます。
排尿するということは、尿路感染症にとって最も大切な予防法の
ひとつなのです。
また、膀胱炎を放置しておくと腎盂、尿道へと炎症が広がり、
時には命に危険が及ぶこともあります。
膀胱損傷
膀胱に尿が充満している状態で転んだり蹴られたりすると、
膀胱が破裂して尿があふれ出してしまうことがあります。
膀胱壁の厚さは普段1センチ以上もありますが、
尿で満杯になり膨らんでいる状態ではたったの3ミリほどしかありません。
このときに外部から圧力が加わると(階段で転ぶ、自動車事故など)、
膀胱が破裂して体内に尿が溢れ出し、緊急手術が必要となります。
もともと膀胱に何らかの障害を負っていた人は、
外圧がかからなくても自発的に破裂することがあります。
同じく尿道を閉める筋力が非常に強い人なども、自発的に膀胱が破裂することがあります。
腎臓の機能が低下
尿を我慢しすぎると、膀胱だけではなく腎臓にも負担がかかります。
腎機能が低下すると、水腎症や尿毒症などの様々な全身病を引き起こす恐れがあります。
腎盂腎炎の発症
尿が膀胱から逆流して腎臓に流れ込むと、膀胱内で繁殖していた細菌も一緒に
腎臓に流れ込むため、腎盂で炎症を起こします。
腎盂とは、腎臓で作られた尿を集める場所であり、腎臓の出入り口ともなっている場所です。
腎盂での炎症は腎臓の中心部から全体にまで広がり、
最終的には「腎盂炎」から「腎盂腎炎」 にまで発展します。
おもな腎盂腎炎の症状は下記のとおりです。
- 排尿痛(膀胱炎などの併発によるもの)
- 38℃以上の高熱。40℃を超えることもあります。
- 悪寒や震え
- 腰の周辺の痛み
- 尿の濁り(白濁とした尿で独特の臭いがあります)
- 頻尿(排尿量は減るのに、排尿回数は増える)
- 血尿、倦怠感、食欲不振など
腎盂腎炎は尿毒症や敗血症などの命に関わる合併症を併発するため、
早急な治療と入院が必要です。
膀胱壁平滑筋が伸びきってしまい尿が出せなくなる
尿意を我慢をし続けていると、膀胱の筋肉(膀胱壁平滑筋)が膨らんだまま
元に戻らなくなってしまいます。
その結果、膀胱の筋肉が伸びきってしまい、うまく収縮できなくなることによって
排尿に時間がかかったり、尿がスムーズに排出できなくなる「閉尿」や「排尿困難」となります。
その状態がさらに悪化すると、膀胱内の神経が変質してしまい、
尿が大量に溜まっているという感覚を失います。
尿意の感覚を失えば、適切なタイミングでの排尿ができなくなり、失禁や頻尿などを引き起こします。
まとめ
排尿は生理現象のひとつです。恥ずかしがる必要はありません。尿意を感じたら
人目を気にせず、早めにトイレに行くようにしましょう。
そうすれば、病気の予防はもちろん、公共の場で失禁してしまうという
ある意味最悪の事態も回避できます。
個人差はありますが、適切なタイミングで尿意を感じるということは、
体が正常に働いている証拠です。
トイレを我慢しすぎて健康を損ねないよう、膀胱に優しい
日常生活を送りましょう。