トイレを済ませたのに、なんとなく尿がまだ残っている感覚、つらいですよね。人により異なる感覚なため、客観的な数字で理解したいものです。体内に残る尿量の測定により排尿トラブルを客観的な数値で把握できます。

この検査で膀胱炎・尿路感染症・がん・過活動膀胱などの疾患を見つけ出せます。その他にも、様々な疾患の早期発見にも役立ちます。

ここでは、一日の正常な尿量と基準値をまとめてみました。これらの基準値から大きく逸脱している場合、腎臓や膀胱など泌尿器に問題があると疑われます。

一日の尿量(正常値)

年齢ごとの正常な基準値です。

新生児…30~300cc
乳児…350~550cc
幼児…500~1000cc
学童…800~1400cc
成人…1000~1500cc
高齢者…700~1200cc

 

成人男女の場合、一日の排尿量が500~2000ccなら正常の範囲内だと言われています。個人差がありますので神経質になりすぎないでください。

一日の尿量(異常値)

尿量が多すぎる…2500cc以上
正常値の範囲内…500cc~2000cc
尿量が少なすぎる…400cc以下

1日2500ccを超えるケースは「多尿」。原因は、糖尿病、腎性尿崩症、心因性の多飲多尿などが考えられます。水分の取りすぎや、利尿作用のあるカフェイン・アルコールなどの過剰摂取によって、一時的に尿量が増えていることもあります。この場合は、ほぼ問題はありません。

1日400cc以下は「乏尿(ぼうにょう)」。脱水症状、急性・慢性腎不全、肝機能障害、肝不全、貧血などが疑われます。

1日に1回も尿が出ない症状が「無尿」。尿道や膀胱組織の詰まり・閉塞などを引き起こしているおそれがあり非常に危険な状態です。

平均的な排尿回数

1回あたりの排尿量…200~400cc
1日の排尿回数…4回~9回

成人1回あたりの排尿量は200cc~400ccです。1日に10回以上トイレに行くような場合、頻尿の可能性があります。水分の摂りすぎや、利尿作用のある飲み物の摂取がない場合の頻尿は、膀胱炎や腎臓の疾患が疑われます。

少しは残るし年齢によっても基準が変わる

体内に残る尿量は50cc以下が正常値です。50cc以上は要注意、100cc以上は治療が必要なレベルです。

健康で泌尿器に問題がない人でも、体内の尿量が0ccになるわけではありません。誰でも2~35ccほど尿が残っているのが通常で問題はありません。50ccを超えると治療が推奨されます。

高齢者は、1回の排尿量が100~150ccまで減少する一方、回数は一日6回~10回以上と増加します。夜間頻尿の症状を訴える方が多く、成人とは基準値が異なる点に注意です。

また、尿量測定は過活動膀胱や前立腺肥大症などの判定としても用いられます。基準値が50cc未満、100cc未満、100cc以上、150cc以上に分けられ、それぞれの基準値によって治療方針が異なります。

日本の診療ガイドラインには尿量の基準値が定められておらず、治療方針は個々の医師にゆだねられます。

疑われる疾患

体内の尿量が正常値にもかかわらず、残っている感じがする場合、膀胱炎・結石・腎臓障害・糖尿病・過活動膀胱が疑われます。

体内の尿量が多いのに尿意がない場合、脳から排尿を指示する信号が伝わりにくい神経因性膀胱、前立腺が大きくなってしまって尿道が圧迫されている前立腺肥大症が疑われます。

セルフケアで症状を緩和できるほど軽いレベルか、手術が必要な重症のレベルか、判断できないこともあるでしょう。そんな時は泌尿器科の専門医に相談するのも手です。

まとめ

トイレに行ったのに、しっかり出せてない感じは排尿トラブルのサインです。エコーのように苦痛を伴わない方法もあります。不安な方は専門家に相談してみてください。