おしっこがしっかり出てくれない・・・。
こんな方も増えてきている昨今。おしっこの改善だけでなく、不妊症や性行不能の問題も、泌尿器科がカバーしています。残尿感に悩んでいる方は、泌尿器の概要を知っておくと、改善のための手助けとなるでしょう。
腎臓の構造
まず、腎臓はソラマメのような形をしていて二つあります。平均的な大きさは10cm×5cm重さは150gで、左側のほうが右側より大きい構造になっています。腰の付近についており、右側が左側よりも3cm高いです。
腎臓はおしっこを作る役割があります。糸球体があって血液が流れてきます。そして、不要になった血液をろ過します。尿細管で水分だけが吸収され、いらなくなったものが小便として排出されます。
腎臓の糸球体から排出された小便は、腎盂(じんう)に集まります。尿管を通って膀胱に入り、尿道から体の外を通って排出されます。
尿管
尿管は腎盂とつながっています。20cm~30cmくらいの長さになっています。太さは均一ではなく、3カ所ばかり細くなっています。そこに結石が詰まる場合があります。が細くなっています。胃腸と同じく蠕動(ぜんどう)運動をしています。小便を下に流し続けています。
尿道
おしっこ出すための通り道が尿道です。その長さは15cm~18cmくらい。おしっこが出ない場合には、カテーテルを挿入することになります。
おしっこと膀胱
日本人の平均の尿の回数は、一日に10回以内です。おしっこが近いという方で、10回以内に収まっている人は、正常の範囲内です。何となくおしっこの近いのは膀胱神経症と言われます。
膀胱におしっこためておける量は、男性が450cc・女性が400ccくらいだといわれています。200cc~300ccで尿意を感じます。
前立腺肥大症とか尿道狭窄症などの病気の場合には、1000cc以上たまってしまうこともあります。
日本人の平均的な尿量は1000cc~1800ccくらい。1500ccくらいが標準です。暑い日に水分を取るとおしっこが増えることになります。
膀胱の病にかかると、トイレが近くなる場合があります。膀胱は小さくなってしまうので、ためておけなくなるのです。
膀胱の役割は体内に尿をためておくことです。体外に排出しなければならなくなると、膀胱は伸縮することになります。膀胱の神経がしっかり働いてくれなければ、スムーズにおしっこが出なくなります。
3種類の神経が働いています。脳の神経と脊髄の神経、膀胱に行っている神経です。この3つの神経がうまく働かなければ、おしっこはスムーズに出てくれません。
膀胱の中には、二つの括約筋がついています。括約筋が緩むと排尿できます。年齢を重ねると、括約筋が働きにくくなり、おしっこの排出がうまくできなくなります。
おしっこの色
正常なおしっこの色は、薄い黄色で透明です。病気をする等濁ったり色が変わったりします。おしっこは、ほうっておくとアンモニア臭がしてきます。変なにおいがする場合には、糖尿病などを疑うこともあります。
身をためておくと塩分が沈殿します。水分が多いとサラサラしたり、少ないとドロドロしたり尿の濃さが変化するのです。
膀胱に結石ができたり、がんがあったりすると血尿が出ることもあります。火傷とか体が疲労すると血尿が出ることもあります。
おしっこを顕微鏡で見ると、タンパク質・ウロビリノーゲン・ビリルビンなどが出ることがあります。病気の診断として判定されます。
残尿感を改善させようと思ったら、自分の体のことをよく知ることが大事です。ここでは、腎臓の役割と膀胱の役割について見てきました。そして、おしっこの状態にも注目してください。残尿感を改善させるためだけでなく、健康状態を判定するためにも有効です。