薬って体にいいものではありません。特に医師の処方する処方薬は副作用が必ずあります。残尿感に悩んでいる人は、無批判にお薬を盲信するのはよくありません。最終的には、生活習慣の改善でお薬のいらない体にするしかないのです。

お医者さんに頼っているが、すべて治してもらえる、と他人まかせにしていると、いつまでたっても治らないとか、永遠に薬のお世話にならなければいけない、という大変面倒な人生になってしまいます。

残尿感には抗コリン薬というものは使われます。医師も軽い気持ちで処方してしまうものですが、どのような効果があって、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

膀胱の神経を麻痺させる薬

抗コリン薬の説明を見てみると、何のことだかさっぱりわからなくなってしまうでしょう。残尿感の治療で使われる場合に、早い話が膀胱の周辺の神経を麻痺させてしまうというわけです。

そうすると活発に動いている膀胱が動かなくなり、それほどおしっこをしたくなくなる効果をねらっているのです。

残尿感に悩んでいる人は、何回もトイレに行きたくなってしまいます、抗コリン薬のおかげで膀胱の働きが悪くなり、トイレに行く頻度も少なくなります。一見いいことのように見えるかもしれません。

重大な副作用もある

しかし、抗コリン薬には重大な副作用があります。神経を麻痺させてしまう効果があるので血液が流れにくく、低血圧を引き起こすおそれがあります。血圧の治療をしている人は気をつけるべきです。

さらにひどくなると、昏睡の症状が出ることもあります。急にふらふらと倒れてしまうことも。お酒を飲んだりするのも無理です。けいれんや幻覚に悩まされるようになることもあります。

長期間抗コリン薬を服用すると、アルツハイマーや認知症のリスクが高まるおそれも指摘されています。取り込んだ抗コリン薬が脳に回り、脳の神経を麻痺させてしまうことが考えられます。高齢者も残尿感に悩みやすいですが、抗コリン薬なんかに頼っていると認知症のリスクが高まってしまうのでかなり危険です。

排尿障害を持っている人は、おしっこを出しにくいので抗コリン薬が逆効果になります。おしっこを出せなくなってしまう可能性があります。

残尿感と排尿障害は表裏の関係

残尿感に悩んでいる人は頻尿が問題なのではありません。膀胱や腎臓の働きが悪くなり、おしっこを自由に出すことができない状態でいるのです。残尿感に悩んでいるのもおしっこは出すなくて悩んでいるのも表裏一体なのです。

つまり残尿感で悩んでいる人に抗コリン薬を出すことにより、その反対側である排尿障害が引き起こされることもあります。下痢だからといって下剤を飲んだり、便秘だからといって便秘薬を飲むの同様の間違いなのです。

内臓の状態をよくすることが必要なのです。残尿感も排尿障害も表裏一体のこと考えたほうが、さらに治療効果も高くなります。うわべだけの症状を無理やり抗コリン薬で抑えようとすると、失敗する可能性が高いです。

抗コリン薬は残尿感に簡単に使われるお薬ですが、これだけの重大な副作用があることは覚えておいてください。無批判に飲むのは危険です。具合が悪くなったら相談することは方法の一つですが、プライドが高いのは医師の特徴で、処方や治療の間違いを指摘されると怒り狂い、聞く耳を持ってくれない可能性もあります。しかし、もっとも覚えておかなければならないことは、残尿感を改善するお薬で残尿感を治すことはできない、ということです。病気の治療にはなっていません。

一時的な症状を抑えるだけで、あとは自分自身の生活習慣の改善で回復させるしか方法はありません。この覚悟を持った人たちだけが、残尿感を改善させられるのです。